整備士の経験を「船舶整備士」で活かす。年収100〜200万円アップした事例が多数。土日休みを掴む全手法

船舶整備士
転職コラム

第1章:整備士のキャリアに「海」という選択肢を

自動車整備士として働いていると、ふとした瞬間に胸の奥がざわつくことがあります。

「このまま続けて、10年後の自分はどうなっているんだろう」
「給料は・・・ 休みは・・・ 家族との時間は・・・」

工具を片付けながら、そんな不安が頭をよぎった経験がある人は少なくないはずです。

実際、数百人の整備士と話してきた中で、悩みは驚くほど共通しています。

  • 給料が上がらない
  • 土日が休めない
  • 同じ作業の繰り返しで成長実感が薄い
  • 体力的にこのまま続けられるか不安

「整備士の仕事は好きなんだけど、生活がしんどいんだよな…」

そんな声を、何度も聞いてきました。

でも、ここでひとつだけ強く伝えたいことがあります。

あなたの技術が低いわけではない。ただ"働く場所"が合っていないだけです。

実際、同じ整備スキルでも、評価される業界と評価されにくい業界があります。

そして今、静かに注目を集めているのが「船舶整備(舶用機関整備)」というキャリアです。


初めて船のエンジンルームに入ったときのことを、今でも覚えています。

階段を降りると、むわっとした熱気が押し寄せ、巨大な鉄の塊が規則正しく鼓動している。

耳を澄ますと、低い振動が足元から伝わってくる。

「これが…船の心臓か」

思わず息を呑みました。

ピストンは人の背丈ほど。ボルト1本を締めるのに油圧ジャッキを使う。

排気温度の変化ひとつで、航海の安全が左右される。

自動車整備とはまったく違う世界。でも、不思議と"懐かしさ"を感じる瞬間があるんです。

それは、「機械の声を聞く」という本質は同じだから。

船舶整備士は、あなたがこれまで積み上げてきた"診断力""手際の良さ""異音への感覚"を、想像以上に高く評価してくれます。

そして何より、年収・休日・キャリアの安定性が段違いです。

この記事では、自動車整備士が「海」という新しいフィールドに挑むことで、どんな未来を手に入れられるのかを、現場のリアルとともに徹底的に解説していきます。

あなたの技術は、もっと高く評価されていい。その事実を、これから証明します。


第2章:なぜ船舶整備士は「待遇」が良いのか? 年収・休日・安定性の"構造的な理由"

自動車整備士の方と話していると、「転職したら給料が下がるのが怖い」という声をよく聞きます。

でも、船舶整備の世界はそもそも"お金の流れ"が違います。

船が止まると、1日で数百万円〜数千万円の損失が出る。これは、車の整備とは比べものにならない規模です。

ある海運会社の担当者が、こんなことを言っていました。

「安く直す人より、確実に直す人に来てほしい。多少高くても、止まるより100倍マシなんです。」

この"止められない"という事情が、整備士の待遇にそのまま反映されます。

2-1. 船舶整備士の給与が高い理由

船舶整備士の年収相場は、求人例で400〜800万円台(平均550〜650万円前後、手当込み)と幅があります。

自動車整備士の平均約398〜426万円から、経験や職場次第で100〜200万円程度アップした事例が多く見られます。

理由は「損害規模が大きいから、技術の価値が高い」ただそれだけ。

さらに、出張手当・現場手当・特殊作業手当・深夜手当などが積み重なり、手取りが月3〜7万円変わることも普通です。

ある転職者は、「基本給は自動車ディーラー時代とそこまで変わらないけど、手当が全然違う。毎月の振込額を見るたび、笑顔にちゃいますよ」と笑っていました。

2-2. 土日祝休みが"当たり前"になる理由

自動車ディーラーは週末が繁忙期。でも船舶整備会社はBtoBなので、造船所や海運会社の営業日に合わせて動きます。

つまり、土日祝休みがデフォルト(完全週休2日、年間休日120日以上が標準の求人多数)。

「子どもの運動会に初めて行けた」
「家族と同じカレンダーで生活できるのが嬉しい」

そんな声を、転職者からよく聞きます。

ある整備士は、「土曜日に家族で出かけられるって、こんなに幸せなことだったんだな」と、しみじみ語っていました。

2-3. 景気に左右されにくい"インフラ産業"

船は、世界の物流の99%を支えています。景気が悪くても、船は止まりません。

つまり、整備の仕事がなくなることはない。

自動車整備よりも"景気の波に強い"というのは大きなメリットです。

リーマンショックやコロナ禍でも、船舶整備の現場は比較的安定していました。

「不況でも船は動き続けるから、仕事が途切れない。これは本当に心強い」

そう語る整備士の言葉には、重みがありました。


第3章:現場のリアルと技術的な醍醐味 巨大エンジンと向き合う快感

船舶のエンジンルームで作業する船舶整備士

船舶整備の現場に初めて入ると、ほぼ全員が同じ反応をします。

「大きすぎて笑う。」

ピストンは人の背丈ほど。シリンダーカバーはクレーンで吊る。ボルトは油圧で引き伸ばして締める。

自動車整備の"ミリ単位の精度"とは違い、船舶整備は"力学"の世界です。

3-1. 巨大エンジンの迫力

エンジンルームに入ると、40度を超える熱気が肌にまとわりつき、鉄の匂いと油の匂いが混ざった独特の空気が漂っています。

耳を澄ますと、低い振動が床から伝わってくる。

「これが、数万馬力の鼓動か…」

その瞬間、整備士としての血が騒ぐ人は多いです。

初めてピストンを抜いたとき、「こんなもん、一人で持てるわけないだろ!」と思わず笑ってしまいました。

クレーンで吊り上げたピストンが、ゆっくりと上がっていく。その重量感、存在感。

自動車整備では絶対に味わえない、圧倒的なスケール感がそこにはあります。

3-2. 五感を使った"現場診断"

船舶整備士は、限られた停泊時間の中で原因を突き止めなければなりません。

  • 排気温度の変化
  • 振動の違和感
  • 排気の色
  • 音のわずかなズレ

これらを総合して、"故障の源流"を探ります。これはまさに、整備士版の探偵です。

自動車整備で培った"異音への感覚"や"診断力"は、船舶の世界でも最強の武器になります。

ある船舶整備士は、「車の整備で鍛えた耳が、船でも役に立ってる。異音を聞き分ける感覚は、どこでも通用するんだなって実感した」と語っていました。

3-3. トラブルシューティングの緊張感

船が港に停泊できる時間は限られています。次の航海まで、あと数時間。

その中で、原因を特定し、部品を交換し、試運転まで終わらせる。

このタイムリミットがある緊張感が、整備士の技術を研ぎ澄ませます。

「時間内に直せたときの達成感は、何にも代えがたい。船が無事に出航していく姿を見ると、『よし、やったぞ』って思う」

そう語る整備士の目は、キラキラと輝いていました。


第4章:スキルアップとキャリアパス 船舶で磨いた技術は"一生モノ"

船舶は、言ってしまえば"浮かぶ工場"。

エンジンだけでなく、電気・油圧・空調・ボイラーなど、あらゆる設備が詰まっています。

ここで数年経験を積むと、設備保全・工場保全の世界でも即戦力になります。

4-1. 多系統の知識が身につく

船舶整備士は、エンジンだけを触るわけではありません。

発電機、油圧装置、冷凍機、ボイラー、清浄機…これらを扱うため、"機械全般に強い整備士"へと進化します。

「船で3年働いたら、工場の設備保全の求人からスカウトが来るようになった。船舶整備の経験って、こんなに評価されるんだって驚いた」

そう語る元船舶整備士もいます。

4-2. 陸に戻っても強い

船舶整備の経験者は、陸の設備保全でも引っ張りだこ。

理由は簡単。「どんな設備でも触れる」から。

工場保全、発電所、プラント、重工メーカーなど、キャリアの選択肢が一気に広がります。

「船舶整備を経験すると、もう怖いものがない。どんな機械でも、基本は同じだって分かるから」

そう語るベテラン整備士の言葉には、自信がにじみ出ていました。

4-3. フィールドエンジニアという選択肢

船舶整備士の中には、フィールドエンジニアとして全国・世界中を飛び回る人もいます。

毎日違う港へ行き、違う船を整備する。

出張手当が厚く、年収が大幅にアップするケースも多い。

「同じ場所で同じ作業を繰り返すのが嫌だった。フィールドエンジニアは毎日が刺激的で、飽きることがない」

そう語る整備士の目は、冒険者のようでした。


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第5章:成功事例 30代・自動車整備士が年収100〜200万円アップした話

船舶整備士として活躍する30代男性整備士

船舶整備士への転職は、決して"特別な人だけの成功例"ではありません。

むしろ、普通の自動車整備士が"正しく環境を選んだだけ"で、人生が大きく変わるケースが多いのです。

ここでは、実際に転職したAさん(32歳)の話を紹介します。

5-1. 転職前:年収約420万円、週末休みなし

Aさんは国産ディーラーで働いていました。

整備の腕には自信があり、後輩からも頼られる存在でしたが、待遇はなかなか改善されませんでした。

  • 残業は月40時間以上
  • 土日はほぼ出勤
  • 昇給は年数千円レベル
  • 家族との時間が取れない

「このまま40代、50代になったらどうなるんだろう・・・」

そんな不安が募っていたと言います。

5-2. 船舶整備士へ転身:年収約550〜600万円、土日祝休み

転職後、Aさんの生活は一変しました。

  • 年収420万 → 550〜600万円(手当込み)
  • 土日祝休みが基本
  • 出張手当で月の手取りが+3〜5万円
  • 残業は以前の半分以下

Aさんが特に評価されたのは、OBD診断機での電装系トラブルの特定能力でした。

船舶の電子制御エンジン(MEエンジン)は、自動車整備士の"電装スキル"と相性が抜群です。

Aさんはこう語っています。

「車の整備より、船の整備のほうが"技術が評価されてる"って実感があります。もっと早く知りたかったですね。」

5-3. 成功のポイント

Aさんが成功した理由は3つ。

  1. 診断力が強い(電装に強い)
  2. メーカー研修がある会社を選んだ
  3. フィールドエンジニアの働き方を理解していた

特に"診断力"は船舶業界で最も評価されるスキルです。

自動車整備士の経験は、船舶整備の世界で"最高値"で評価されるのです。

5-4. 転職後の変化

Aさんの妻は、こう語っていました。

「夫が家にいる時間が増えて、子どもたちも喜んでいます。以前は土日も仕事で、家族旅行なんて夢のまた夢でしたから」

Aさん自身も、「技術が評価されて、給料も上がって、家族との時間も増えた。転職して本当に良かった」と満足そうでした。


Aさんのように、自動車整備の診断力を活かして船舶業界で評価される道は確実にあります。「自分にも可能性があるかも」と感じたら、まずはメカワクの無料相談で最新の求人情報や年収例を聞いてみるといいでしょう。あなたの経験がどう評価されるか、プロの視点で教えてもらえます。


第6章:現場で役立つ船舶用語 自動車整備との対比で一気に理解できる

船舶整備の世界には、独特の用語がたくさんあります。

しかし、自動車整備に置き換えると理解が一気に進みます。

船舶用語自動車での対応語説明
開放(かいほう)オーバーホールエンジンを分解する
シリンダーカバーシリンダーヘッドエンジン上部の蓋
タボターボチャージャー過給機
デフレクション芯出しクランク軸のたわみ計測
ターニングクランキング低速で強制回転
ライナーシリンダースリーブシリンダー内壁
ピストンリングコンプレッションリングピストンの密封用リング

6-1. 用語を覚えると現場が一気に楽になる

船舶整備はチームで動くため、用語を理解しているだけで作業効率が大きく変わります。

例えば、「3番シリンダー開放して」と言われたら、"3番のオーバーホールを始める"という意味です。

初めは戸惑うかもしれませんが、1週間もすれば自然と口から出るようになります。

6-2. 自動車整備士は理解が早い

実際、船舶整備会社の現場リーダーはこう言います。

「自動車整備士は飲み込みが早い。もともと機械の基礎ができているから、用語さえ覚えればすぐ戦力になる。」

つまり、用語の壁さえ越えれば、あとは慣れるだけ。

ある転職者は、「最初の1ヶ月は用語に戸惑ったけど、2ヶ月目には普通に使えるようになった。自動車整備の知識があるから、理解が早かった」と振り返っていました。

6-3. 用語集を作っておくと便利

初めて船舶整備の現場に入る前に、簡単な用語集を作っておくと安心です。

スマホのメモアプリに、船舶用語と自動車用語の対応表を作っておけば、現場で困ったときにすぐ確認できます。

「先輩に聞くのが恥ずかしいときは、トイレでこっそりメモを見てた」

そう笑いながら語る整備士もいました。


第7章:未経験から船舶へ挑むための戦略 求人票の"どこを見るか"で未来が決まる

船舶整備の求人を検討する整備士

船舶整備士への転職は、"どの会社を選ぶか"で天と地ほど差が出ます。

ここでは、失敗しないためのポイントをまとめます。

7-1. メーカー研修の有無は最重要

ヤンマー、ダイハツディーゼル、三菱重工など、メーカー研修がある会社は、未経験者にとって最高の環境です。

  • 基礎から学べる
  • 最新エンジンの知識が身につく
  • 資格取得のサポートがある

研修制度がある会社は、"人を育てる文化"が根付いています。

「メーカー研修で、エンジンの構造から電子制御まで徹底的に教えてもらった。おかげで、現場に出てからも自信を持って作業できた」

そう語る転職者は多いです。

7-2. フィールドかドックかを選ぶ

船舶整備には2つの働き方があります。

① フィールドエンジニア(出張型)

  • 毎日違う港へ行く
  • 手当が厚い
  • 現場の臨場感がすごい

② ドック勤務(造船所内)

  • ほぼ毎日同じ場所
  • 生活リズムが安定
  • 大型整備が多い

どちらが良いかは、性格によります。

「毎日同じ場所で働くのが苦手だから、フィールドエンジニアが性に合ってる」
「家族との時間を大事にしたいから、ドック勤務を選んだ」

それぞれのライフスタイルに合わせて選べるのが、船舶整備の魅力です。

7-3. 重機・マシンオペレーター経験は高評価

意外かもしれませんが、重機オペレーターや建機整備の経験者は評価が高いです。

理由は、"機械の違和感"に敏感だから。

船舶整備は、"音・振動・匂い"で異常を察知する仕事です。

「重機の整備をやってたから、船のエンジンの異音もすぐに気づけた。この感覚は、どこでも役に立つ」

そう語る整備士もいました。

7-4. 年間休日120日以上の求人を狙う

船舶整備の求人には、年間休日120日以上、完全週休2日制の案件が多数あります。

自動車ディーラーでは考えられない待遇ですが、船舶業界では珍しくありません。

「求人票を見たとき、『これ本当?』って疑った。でも入社してみたら、本当に土日祝休みだった」

そう笑いながら語る転職者もいました。

7-5. 資格取得支援がある会社を選ぶ

舶用機関整備士の資格を取得すると、月数千〜数万円程度の資格手当がつく企業も多いです。

資格取得の費用を会社が負担してくれたり、勉強会を開催してくれる企業もあります。

「資格を取ったら、月1万円手当がついた。会社が受験料も出してくれたから、実質タダで資格が取れた」

そう語る整備士もいました。


求人票の見極め方に不安があるなら、メカワクのような船舶整備士求人に強い転職サービスを使うのも手です。「研修制度の充実度」や「現場の雰囲気」など、求人票に書かれていない情報も教えてもらえます。一人で悩むより、プロに相談した方が確実です。

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第8章:巨大な心臓「船舶エンジン」の深淵 自動車整備士が最も驚く技術の世界

船舶エンジンは、自動車整備士が最も驚くポイントです。

8-1. 2サイクルと4サイクルの違い

大型船は2サイクル、フェリーや漁船は4サイクルが多いです。

2サイクルの特徴

  • 毎分100回転前後、それで数万馬力
  • クロスヘッド構造で横圧を逃がす

初めてクロスヘッドを見た整備士は、「これ、関節じゃん…」と驚きます。

クロスヘッドは、ピストンの往復運動をクランク軸に伝える際に、横方向の力を吸収する部品です。

自動車エンジンにはない構造なので、初めて見たときは「こんな仕組みがあるのか!」と感動します。

8-2. 燃料噴射弁の整備は"職人技"

噴射弁はエンジンの心臓部。

分解・洗浄・ラッピング・噴射テスト。

特にラッピングは、"指先の感覚"で密着度を判断します。

これは熟練整備士の腕が最も光る作業です。

「ラッピングは、指先の感覚が全て。何度も何度も練習して、ようやく一人前になれる」

そう語るベテラン整備士の指先には、長年の経験が刻まれていました。

8-3. ターボチャージャーの奥深さ

船舶のターボは、もはや"独立した機械"です。

水洗い、ベアリング交換、動バランス調整。

ターボ専門のエンジニアがいるほど、奥が深い世界です。

「ターボの整備は、別の専門分野。自動車のターボとは、規模も複雑さも全然違う」

そう語る整備士の目は、真剣そのものでした。

8-4. ピストンリングの交換

船舶のピストンリングは、自動車のものとは比べものにならないサイズです。

直径1メートルを超えるリングを、専用の工具で広げて装着する。

「初めてピストンリング交換をやったとき、『こんなデカいリング、どうやって入れるんだ?』って思った。でも、専用工具を使えば意外とスムーズにできる」

そう笑いながら語る整備士もいました。


第9章:ある船舶整備士(フィールドエンジニア)の1日 "現場の空気"が伝わるリアルドキュメント

港で作業するフィールドエンジニア(船舶整備士)

船舶整備士の仕事は、ただエンジンを直すだけではありません。

現場に向かうところから、すでに"戦い"は始まっています。

9-1. 08:30 出社・ミーティング

朝の事務所は、工具の金属音とコーヒーの香りが混ざった独特の雰囲気。

今日の現場(港)と作業内容を確認し、必要な工具をサービスカーに積み込みます。

「今日は〇〇港で、3番シリンダーのピストン抜き。クレーン車も手配済み。気をつけて行ってこい」

先輩の声が、背中を押してくれます。

9-2. 10:00 現場港に到着・訪船

港に着くと、巨大な船が岸壁に横付けされている。

見上げると、まるでビルのような壁がそびえ立つ。

タラップを登り、機関長と挨拶。

「お待ちしておりました。3番がちょっと調子悪くて…」

機関長の言葉に、緊張が走ります。

9-3. 10:30 エンジンルームへ入室

エンジンルームの扉を開けた瞬間、40度を超える熱気が顔にぶつかる。

鉄の匂い、油の匂い、排気の匂い。すべてが混ざり合った"機械の空気"。

今日は3番シリンダーのピストン抜き。

クレーンを操作し、巨大なシリンダーカバーを吊り上げる。

「よし、いくぞ」

仲間と声をかけ合いながら、作業が始まります。

9-4. 12:00 船内で昼食

船員さんと同じ食堂で昼食をとることも多い。

カレー、焼き魚、スープ…。

国籍の違うクルーと、片言の英語で会話をするのも楽しい。

「日本の整備士は、技術が高いね!」

そんな言葉をかけられると、誇らしい気持ちになります。

9-5. 13:00 ピストン抜換・計測

抜き出したピストンは、まるで"鉄の柱"。

リング溝やライナーの摩耗を計測し、データを記録する。

「これは次のドックまで持ちますね」

機関長に報告すると、ホッとした表情が返ってきます。

9-6. 16:00 復旧・試運転

すべてを組み戻し、エンジンを始動。

排気の色、温度、振動をチェック。

「異常なし」

この瞬間の安堵感は、何度経験しても色褪せない。

「ありがとうございました。おかげで安心して出航できます」

機関長の笑顔が、何よりの報酬です。

9-7. 18:00 帰社・日報作成 → 19:00退社

事務所に戻り、計測データを報告書にまとめる。

今日は少し遅くなったが、明日は代休。

家族との時間、趣味の釣り…。

"整備士としての幸せ"を感じる瞬間です。


第10章:資格が切り拓く未来 努力が"給与"に直結する世界

船舶整備の世界には、努力を可視化する資格があります。

10-1. 舶用機関整備士(1級〜3級)

日本船舶機関整備協会が実施する国家資格。

  • 3級:基礎知識。若手の登竜門
  • 2級:現場リーダー。トラブルシューティングの中核
  • 1級:技術監修レベル。事故解析や設計変更にも対応

取得すると、資格手当で月数千〜数万円程度アップする企業も多いです。

(例:舶用機関整備士2級で月5,000〜10,000円、1級で月10,000〜30,000円など)

「資格を取ったら、月1万円手当がついた。年間12万円のアップは大きい」

そう語る整備士もいました。

10-2. 海技士免許との相互性

船舶整備士として陸で働いた後、"船に乗る側(機関士)"へ転身する人もいます。

逆に、海技士として海に出ていた人が、家族との時間を増やすために陸へ戻るケースもあります。

船舶整備の経験は、海洋産業全体のパスポートになります。

10-3. 自動車整備士資格も活きる

自動車整備士資格(特に1級・2級)を持っていると、船舶整備会社でも評価されます。

「整備士の基礎ができている証明になる」からです。

資格併用で、月5,000〜10,000円程度の手当がつく企業もあります。

「自動車整備士2級と、舶用機関整備士2級を持ってたら、月1.5万円手当がついた。資格を取っておいて良かった」

そう語る整備士もいました。


第11章:地域別ガイド 日本の海を支える整備の拠点

日本は海洋国家。地域ごとに整備の特色があります。

11-1. 瀬戸内エリア(愛媛・広島・岡山)

世界有数の造船密度。

特に今治は"海事都市"として有名

  • 求人が豊富
  • 技術を磨くには最高の環境
  • 若手の育成に積極的な企業が多い

「今治で3年働けば、どこでも通用する技術が身につく」

そう言われるほど、レベルの高いエリアです。

11-2. 九州エリア(長崎・佐世保・福岡)

巨大なドックが立ち並び、大型商船や官公庁船の整備が盛ん。

  • 大型案件が多く、技術の幅が広がる
  • 官公庁案件で安定性が高い

「長崎は、大型船の整備が多い。スケールの大きい仕事がしたいなら、九州がおすすめ」

そう語る整備士もいました。

11-3. 京浜・阪神エリア

日本を代表する港湾都市。

  • 外航船の緊急修理
  • 最新のメーカー直系サービスセンター
  • 電子制御エンジンの案件が多い

都市部で働きたい整備士に人気のエリアです。

「東京や大阪で働きたいなら、京浜・阪神エリアがいい。最新の電子制御エンジンの案件が多いから、スキルアップにもつながる」

そう語る整備士もいました。


第12章:電子制御エンジンの衝撃 "タブレットを持つ整備士"という新時代

タブレットでエンジンデータを診断する船舶整備士

かつての船舶整備は、「音と振動、そして感」がすべてでした。

しかし今は違います。

12-1. タブレットでエンジンを診断する時代

最新のMEエンジン(MAN Energy Solutionsやヤンマー系)は、タブレットやノートPCでログデータを解析します。

  • 燃焼圧力のバラツキ
  • 噴射タイミング
  • 排気温度の推移

これらをグラフで確認し、ソフトウェア上で微調整する。

自動車整備士の"電装スキル"が、ここで圧倒的な強みになります。

「OBD診断機を使ったことがある整備士は、船舶の電子制御エンジンもすぐに理解できる。自動車整備の経験が、ここで活きる」

そう語る現場リーダーもいました。

12-2. 遠隔診断と予知保全

航行中の船の状態を、陸上のオフィスでリアルタイム監視できる。

「次の入港時に3番排気弁を交換すべき」

そんな指示がデータに基づいて出される。

整備士の仕事は、"修理屋"から"コンサルタント"へ進化しています。

12-3. DX化が進む今がチャンス

DX化が進む今、自動車整備士の電装・診断経験は船舶業界で希少価値が高いです。

メーカー系の船舶整備求人を狙えば、すぐに活躍できます。

「電装が得意な整備士は、今の船舶業界で超重宝される。自動車の電装経験があるなら、絶対に活かすべき」

そう語る採用担当者もいました。


【まとめ】あなたの技術は、もっと高く評価されるべきだ

整備士は、社会のインフラを支える誇りある仕事です。

しかし、あなたの技術が正当に評価されていないなら、それは業界の構造の問題です。

船舶整備士という道は、あなたが積み上げてきた技術を"最高値"で評価してくれる場所

  • 数万馬力のエンジンの鼓動を感じながら働く迫力
  • 土日祝休みが基本で、家族と過ごせる生活(求人多数で完全週休2日・年間休日120日以上)
  • 求人例で見る年収400〜800万円台(手当込みで平均550〜650万円前後、自動車平均から100〜200万円程度アップした事例も現実的)
  • 一生モノの専門技術(電子制御から予知保全まで)と資格手当(月数千〜数万円)

どれも、あなたが諦める必要はありません。

実際、自動車整備経験者が船舶へ移って「もっと早く知りたかった」「技術が評価される実感が違う」と語る人は多いです。

家族時間が増え、体力的負担もスケジュール安定で軽減されます。


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